「三十円のタイムマシン。刹那に開閉する『無価値』という名の贅沢。」
更新日:7 日前
30円入れると、何かが見える。
昭和の駄菓子屋にあったガチャガチャと、観光地のコイン望遠鏡。
二つの仕組みを組み合わせた、奇妙な映像鑑賞装置。
10円玉を3枚入れると、覗き窓の向こうで短い映像が始まる。
何が映るかは選べない。
笑えるもの、意味不明なもの、錯覚を利用したもの、何のオチもないもの。
やがて時間が来ると、物理的なシャッターが閉じる。
それで、おしまい。
面白かったかどうかは、観客次第である。

【作品データ】
作品名: アメージング・ガチャ・スコープ(Amazing Gacha-Scope)
制作年: 2024年
素材: ベニヤ合板(レーザーカット加工)、サーボモーター、電子制御基板、液晶ディスプレイ、硬貨選別機、鉄(台座)
サイズ: W500 × D600 × H1500 mm(台座含む)



【コンセプト】
幼い頃、わずかな小銭を握りしめて回したガチャガチャ。
ケースいっぱいに並んだ景品は魅力的だった。しかし、たった一つ取り出してみると、何とも言えないものだったりする。
期待したからといって、期待どおりのものが手に入るとは限らない。
そんな小さな不条理を、30円の映像体験として再構成した。
映像の再生には、観客自身の財布から硬貨を支払う必要がある。無料では、この作品は成立しない。
スマートフォンなら一瞬で見られる映像を、あえて硬貨を入れ、一人ずつ覗き込み、機械に終了を告げられるという不自由な方法で鑑賞する。
便利さや効率が優先される時代に、無駄な時間と、意味の分からない体験を提供する装置である。
【 演出・機構ドキュメンテーション映像 】
木製の筐体に、硬貨識別機構、オリジナルの音声演出、映像再生システム、物理シャッターを組み込んだ。
映像は短編作品をランダムに上映。ジャンルを限定せず、作者自身が制作した作品に加え、他のアーティストによる作品も収録している。
一度に覗けるのは一人だけ。
何を見たのかは、覗いた本人にしか分からない。
展示では、見終わった人に周囲の人が「何が見えたの?」と尋ねたり、親子で順番に体験したりする光景が生まれた。
一人で鑑賞するための装置が、思いがけず、人と人の小さな会話を生んでいる。
【ステートメント】
私は、マジックという「不思議を見せる技術」を使って、長年、人を楽しませてきました。
マジックの面白さは、必ずしも答えが分かることにあるわけではありません。
むしろ、答えが分からないからこそ、いつまでも記憶に残ることがあります。
ガチャスコも同じです。
30円を払って、何が出てくるか分からない映像を見る。
面白いかもしれないし、つまらないかもしれない。
それでも、シャッターは容赦なく閉じます。
「何だったんだ、あれは?」
その答えを、私は用意していません。
世の中には、お金を払っても、期待どおりにならないことがある。
そんな不条理も、30円くらいなら笑って済ませられる。
無駄なものや、不自由なことの中にこそ、面白さが潜んでいる。
私は、そう思っています。





作品の購入・展示について
アメージング・ガチャスコープは、展示・販売・レンタルのご相談を承っています。
本作は、10円硬貨3枚を投入することで始まる、一人用のインタラクティブ・アート作品です。
短編映像のランダム再生、オリジナルの音声演出、物理シャッターによる強制終了までを、一つの体験として設計しています。
ギャラリーや美術館での展示をはじめ、商業施設、ホテル、企業施設、個人コレクションなど、さまざまな場所への導入をご相談いただけます。
作品の購入・展示について
アメージング・ガチャスコープは、ご購入いただける作品です。美術館・ギャラリーでの展示や、商業施設・イベントでのレンタルもご相談いただけます。
株式会社たかお晃市事務所



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